ザ・ポケット
2006年10月17日(火)~10月22日(日)
8ステージ
▼CAST
Side ヒマワリ島北側
櫻井智也
おがわじゅんや
北島広貴
伊達香苗
中川智明
山田奈々子
laila.g.g
福井喜朗
Side ヒマワリ島南側
黒岩三佳(あひるなんちゃら)
上田楓子
渡辺裕樹
江見昭嘉
小野紀亮
宮本拓也
高橋優子
福井喜朗
▼STAFF
作・演出 > ドリル
舞台監督 > 西廣奏
舞台美術 > 袴田長武(ハカマ団)
照明 > 岡野文寛(RYU CONNECTION)
音響 > 平井隆史(末広寿司)
映像/撮影 > メリケンサック
衣装 /ヘアメイク> 星野友紀
音楽 > 平井隆史(末広寿司) / HACHI
制作 > 八田雄一朗(MCR)
製作 > MCR
▼Special Thanx!!!
松下哲 /
あひるなんちゃら
赤沼かがみ(G-up) /
Krei株式会社
横山真弓 / 木戸亜希子 / 高橋雄二 / 塩田友克(五反田団) / 伊藤秀香
丸山ゆかり / 青木明子(ヨシロー冒険団) / 井上絵里加 / 原田瞳 / 橋本あすか / 升のぞみ
(順不同・敬称略)
▼STORY
北側と南側ではガラリと印象の変わる「ヒマワリ島」
「1年中ヒマワリが咲き誇る神の島」という伝説を持つその不思議な島も
今では「さびれた観光地」となっている。
この物語は、夏が終わればヒマワリの種しか残らない「無人島」と化す、
そんな島に旅行に来ちゃった人達の
「夏の日の物語」
終わらない夏を願いながらも日焼け止めを入念に塗る、
そんな有り余る湿気を乾いた笑い声で吹き飛ばそうとする人達の
「夏の(高揚感を満喫する)日の物語」
まばゆく光る夏の欠片が熱を失った砂に埋もれ肌寒い夜が無闇に人々をセンチにさせる、
そんな抗えない時の流れに飲み込まれる人達の
「夏の(終わりを痛感する)日の物語」
そんな人達の、1泊2日の物語。
Side ヒマワリ島 北側
ゴツゴツした岩場が多く、男性的な荒々しさと暴力的な潮の流れで、
海に入る者を拒絶している(もしくは喧嘩を売っている)かのような海岸が広がる。
魚影は濃く、豊富な種類の魚が釣れるので釣り客には喜ばれる北の海岸であるが、
毎年数人の釣り客が荒くれる海に飲み込まれ消息を絶っている。
観光地としては適していないように思える北側だが、
悪評と同時にオカルトな噂も立ち上り「隠れ恐怖スポット」としてマニアには根強い人気があるのも確かである。
その為観光客も男性中心であり
(居酒屋で「周りのお客様の迷惑になりますので」と注意されるようなタイプ多し)
ひと夏のバカンスなど期待できない(もしくは最初から望んでいない)雰囲気が漂っているのが北側の特徴。
Side ヒマワリ島 南側
白く美しい砂浜が広がり、女性的なおしとやかさと包み込むような優しさを感じることが出来るのが南側の海の特徴だ。
波は穏やかで海水の透明度は高く、まさに「南の楽園」としての要素を備えているように思えるが魚は少ない。
「1年中ヒマワリが咲き誇る神の島」という伝説の名残として南側には「ヒマワリの丘」があり、
1年中ではないが秋深まるまでヒマワリが咲き誇って辺りを美しい黄色で彩っている。
が、何故かその周囲は臭い。何故かは分からない。
「もしかして俺が臭いのか?」という不思議な臭いがするので無駄にイラっとする土地だ。
穏やかな表情とは裏腹に神秘の洪水で満たされている、
何だかのんびりできないじゃねえかっていう雰囲気が漂っているのが南側の特徴。
暇なホテルでヒマホテルではなく、ヒマワリ島にあるホテルだからヒマホテル、です。
「銀色男の暑すぎる夜」っていうお話と同じ設定(島)のもと、
島を北側と南側に分けてそれぞれ上演した、例によって「同じ時間軸を共有しているが違う話」シリーズです。
微妙なリンクも織り交ぜつつ、時間軸劇団として(造語であり、認知度は限りなく0に近い)成長してきた部分を
発揮するんだという思惑で行われた公演だったような気がします。
僕は基本的に夏が大好きでありまして。
特に、夏の終わりを感じさせる瞬間が大好物でありまして。
おばあちゃんが海の家を経営してましてですね、
毎年夏になると一ヶ月ぐらい海に行っていたわけですよ、
そこでパラソル立てる係やったりして。
海はそりゃ、楽しいですけど一ヶ月居たら毎日キャハキャハ出来るわけもなく、
キャハキャハしてる人達をパラソルの下から「なんだか楽しそうネ」と傍観していたりして(小学生時代)
朝から夕方までひっきりなしに打ち寄せる波と嬌声を見続けて、
しかし夕方を過ぎると人はいなくなり、
暴力的だった日差しも落ち着きを見せ、
砂に「すっ」と手を差し込んでみれば
「キャハキャハと暴力的な日差しにまみれていた」昼間の熱が
明日までの眠りに入ろうとしている「柔らかい温度」になっていたりして、
毎日毎日繰り返される「小さな夏の終わり」を感じていたわけですよ。
あの、なんともいえない寂しさとか穏やかさとか、そういう空気が大好きで。
僕にとって幼少期から夏になる度に過ごしていた「あの夏の時間」はかけがえのないモノであったのだな、
と最近特に感じるわけですよ。
人格形成に於いて、そこが意外とポイントでしたって時期は誰にでもあるんだろうけど、
僕にとってはまさにあの頃がポイントだったような気がするんですな。
楽しいことばっかりじゃなかったし、怖い想いも散々したし、
なーんも楽しくない時間だって勿論あったけど、
あれらが無かったら僕は今の僕になってないような気がします。
話が多少ずれましたけれども、そういう、夏と海が感じさせてくれたモノを表現しようとした作品だったような、
気が、しないでもない。
MCRで初めてキスシーンがあった作品でもあります、小野と江見ですけど。
1分以上唇重ねたままにしておいたんですけど(しておいた、というのが重要)
「わー、なんか、男同士がキスしてるー」みたいな安直な笑いの方向に行くのがイヤで
「笑われるな、絶対笑われるな」みたいな事を二人には言っていたんですが、
同時に「なんでかよく分かんないけど唇をお互いにハムハムしあってろ」みたいな事も言っていたので、
僕自身どっちに転んでもいいやみたいな所があったんだと思います。