History
ベリーブルーベリー
劇団MCR第17回公演
シアターグリーンフェスティバル'01Vol.52 参加作品
「VeryBlueBerry」

池袋シアターグリーン

公演日時:2001年7月13日(金)~17日(火)

▼CAST
ドリル
小川淳弥
江見昭嘉
竹内聖詞
北島広貴
上田房子
三澤勇人

渡部裕樹
福井喜朗
耕野まゆみ
多田淳之介(動物電気)

▼STAFF
作・演出 ドリル
照明 三木拓郎
音響製作 柴崎真人
音響 小田切久
舞台監督 GONTA
宣伝美術 中野嘉美
制作 八田雄一朗/劇団MCR

▼Special ThanX!!!
岡野文寛 ハグハグ共和国 ×2.5 BACKSTAGE ヨシロー冒険団 岡由佳子 武内里美 氏家園子
(順不同・敬称略)

▼STORY
時は昭和20年7月、太平洋戦争末期。
広島から数十km離れた所にある小さな島に建つ「大日本帝国生物兵器研究所」がこの物語の舞台です。
そこでは7人の天才科学者が改造人間を造るために日夜研究を重ねていました。
そこに何の取り柄もない男が一人連れられてきました。
そう、改造人間になるために。
窮地に追い込まれていた日本の最後の切り札として軍上層部は改造人間に大きな期待を寄せます。
それこそが日本が戦争に勝つための唯一の手段だと思われたからです。
科学者たちはその男に改造を施します。
男は改造人間として生まれ変わったのですが、それがどう見ても明らかな失敗作品。
科学者達の上司と改造された男は頭を抱えます。
両親を東京大空襲で亡くした少年ショウタロウ、
日本軍の正当性を、
そして勝利を信じて疑わない科学者達の上司である藤兵衛、
藤兵衛の直接の部下で科学者達の監視役として派遣されてきた小林、様々な人間達がその施設にやって来ます。
果たして日本の未来は?
戦争の末路は?
改造人間「モンシロマン」の運命は!?


僕らがシアターグリーンでやった最後の公演ですね。
小劇場っていうところで僕の気を揉ませる要素の一つに「空調問題」というのがあります。
ここの空調は音が異常に大きく、一番後ろの席に座ると台詞が聞き取りにくいっていうぐらいのアレで、
劇場の人が「いやあ、天井新しくしたんだよ」とかいうのを聞く度に「空調直せよ」と思ってました。
この数年後シアターグリーンも新しくなったみたいで(ビルみたいになってるらしい。行ったこと無いけど)
そういう悩みも解消されているとは思いますが。
シアターグリーンには前述したとおり「シアターグリーン賞」っていうのがあって、
全日程終了後数十団体から最も面白な劇団が選出されるという賞があるんですが、
毎回1票とか2票とかで、絶対王様の有川さんがニコニコしながら賞金を貰っているところを
「スター気取りが」とかいう気持ちで見ていました(やっかみです)
そこで各団体から最後に一言ずつ挨拶するって言う恒例行事があったんですが、
この芝居でグリーンは最後と決めていたので
「お前らとは水が合わない」
と最初に一言発したら深海みたいな静けさになりました。

話を変えましょう。
このお話は「街角大戦争」という作品のリメイクです。
公演中に高校生が観に来てくれて
「演劇部の大会でこのお話やりたい」と言ってくれたので
「ああ、いいですよ」と快諾したところ本当にやっていました。
(下品な表現などのくだりはカットで)
大雨の中八田君と大会に行って、
子供の授業参観を見るような気持ちになりながら客席の反応が非常に暖かく、
演劇部の人達以上に安心したのを覚えています。
原稿使用料として頂いた5千円を八田君と二人で数時間で酒に変換して飲み干したこと、
良い思い出です。

今思えば、こういう、なんていうか、
綺麗にまとまる(そこまで綺麗じゃないですけど)話は劇団としては書けないかなあと思っていますが、
ある意味過渡期に於いて、こういう所を通ったというのは財産にもなっているかと思います。
もう一度再演しろと言われたら、絶対やりませんけど。

そういえばこれ以来戦争の話は書いてないなあ。
戦争ブーム(失礼なブームですが)の終焉を迎えた、ある意味区切りの公演でしたね。