1998年8月/池袋シアターグリーン
この話は元々小さな街に存在するヤクザ同士の小さな抗争というお話にするつもりだったんですが、
いつの間にか戦争の話になってました。
戦争の話ってすごい好きなんですよね、
この頃僕が言ってたのは
「戦争こそ、今の社会に於けるもしかしたら実際に触れるかもしれない唯一のSFだ」っていう、
平和ボケに満ちた思想だったんですが。
ブランキージェットシティーが昔から凄い好きで(今でも好きですが)
METAL MOONっていうミニアルバムの6曲目に「鉄の月」っていう曲が入ってて、
物凄く肌が泡立つような感覚に陥りまして、
ああ、こりゃすごいと。
凄すぎて真似できないと、真似しちゃったら俺もう一生囲われちゃうとか思って、
だったら俺なりに軽い思想で表現してみようとか壮大な思想の元に軽々しく作った戦争の話です。
機会があれば聞いてみて下さい、
このアルバムの他の曲はあまり好きじゃないですがこの曲は本当に良いです。
悪いひとたちより僕はこっちの方が好きです、
泣けてきます、いつでも、あっという間に。
曲を聴きながら「終わるな終わるな一生続けてくれ」とか思います、
このままだとブランキー評に終始してしまうのでここら辺で辞めておきます。
小麦色の斜面って曲も好きです、
乾いた感覚が逆にヌメっとまとわりつきます。
辞めておきます。
この芝居がすごい評判が良くって、
終わった後に劇場の人とか偉い人(本当に偉かったのか今では定かでは無い)に
優勝間違いなしだね!とか言われたんですが
終わってみれば何てこたぁない結果でした。
つうか何より大変だったのは、
これの本番1週間前に主役の男が急に降板するという事態が起こりまして、
どういう事かと言うと、
まあ、急に稽古に来なくなったんですが、
おがわじゅんやと二人でそいつの家に行って、
そいつが居留守使ったりするもんで
玄関の上にある小さな窓から侵入して
そいつと話をしたところ、
なんか知らないけどもうイヤだと。
おがわじゅんやがそいつを殴りました。
そいつはおがわじゅんやに
「殴ってくれてありがとう」と言いました。
教育テレビの道徳番組みたいだったです、
僕はそんな事を考えながら傍観してました。
ちなみにおがわじゅんやの人生で
人を殴ったのはその時が初めてだったらしいです、
まあ、僕が途中から面白くなっちゃって
じゅんやをけしかけたみたいなところが多々ありますが。
で、まあ、どうしようかっちゅう話になって、
今から役者探すのは大変だし僕が出ようかと。
だけど主役とか台詞が多いからイヤだったんで、
台詞の少ない役に僕が入って、その役をやってた奴が主役に抜擢という、
僕個人のわがままからの移行とあいなりました。
これ以降僕がMCRの舞台に出るわけですが、
これがなかったら未だに出てないかもしれないですねえ。