1997年9月/銀座小劇場
この頃劇団員が最も多い時期だったんじゃないかなあ。
9回公演なのにやっぱりお客さんがちっとも入らなくて、
まあ、宣伝方法とかあまりに知らなかったというのもあるんですが、
折り込みとかもしてなかったし
「面白いことやってりゃいつか報われる」みたいな、
あまりにも基礎努力を怠っていたという側面もあるんですが。
主人公が借りている一軒家、
そこにあつまるどうしようもない人々。
消えない過去を引きずりつつ、この先に明確な希望の光は見えずとも
暗闇でもないような気がしている、みたいなそんなお話。
この話に限った事ではないんですが、
特にこの作品とかこれ以前の作品でもそうですが、
俗に言う「どうしようもない職業の人」とか「どうしようもない人」ばっかり出てきます。
自分がうだつのあがらない人間だというのもあるかと思いますが、
基本的にコンプレックスの塊のような人間なので(僕が)
それを自覚しつつきれい事じゃない物ばかり描きたがっていたような気がするなあ。
きれい事じゃないものを描くのに、
普通な人が出てこないというのが今の僕にはナンセンスですが。
この頃ダビスタってゲームばっかりやってて、
そこでしあわせタイフーンっていう馬を作ったんですが、
その馬が強いのか弱いのか分からない感じで、
でもやっと「あれ?強いかな?」と思った矢先
レース中に事故死するという悲しい事件がありまして(ゲームの中で)
部屋でゲーム相手に号泣した思い出があります。
それをきっかけに書いた作品だったので、
作品中にダビスタもしあわせタイフーンも出てきます。
出てきますけど、今となっては出さなきゃよかったと思います。
どっちつかずな、あまり気に入っていない作品です。