下北沢 OFFOFFシアター
2023年12月6日(水)~12日(火)
全10ステージ(2作品)
▼CAST
「シド・アンドウ・ナンシー」
堀靖明
佛淵和哉
池戸夏海
塩川千尋
佐藤修作(四次元ボックス)
澤原剛生
荒波タテオ(popchicfactory)
前田勝
キタラタカシ
北島広貴
おがわじゅんや
「ぬけ男、恥さらし」
黒澤風太
永井一信(くによし組)
大石ともこ(みそじん)
堀靖明
三瓶大介
加賀美秀明(青春事情)
稲葉捺月
三澤さき
櫻井智也
上田房子
伊達香苗
▼STAFF
作・演出:櫻井智也
舞台監督:門馬雄太郎・西山みのり
舞台美術:門馬雄太郎
照明:久保田つばさ
音響:葵能人(ノアノオモチャバコ)
宣伝美術:これでよしお
映像撮影:吉田雅人
当日運営:松本悠(青春事情)
web管理:松下哲
製作:MCR
協力:
えにし
カルテット・オンライン
くによし組
豪勢堂
青春事情
ノアノオモチャバコ
ブレス・チャベス
popchicfactory
みそじん
四次元ボックス
RYU CONNECTION
(順不同・敬称略)
▼Introduction
MCR、12月の公演は下北沢オフオフシアターにてMCR EXPO’23Wと題した「シド・アンドウ・ナンシー」と「ぬけ男、恥さらし」の再演二本立てです。
「シド・アンドウ・ナンシー」は2009年に、「ぬけ男、恥さらし」は2013年に上演した作品で、それぞれに思い出深いものがありまして、「シド」の方はCoRich!舞台芸術まつり2009でグランプリを頂き、賞金100万円を手にしたのですが、それまで未払いだったスタッフへの賃金を支払ったら全部なくなりました。
この作品は「太った人」ありきで存在する作品なので、ああ、もう再演もできないのかなあと思っていたんですが、古くから参加している役者がそろそろ出来るぐらいには太ってきたので再演する運びとなりました。
とはいえ古い作品ですから、改訂してあの頃よりさらに面白いものになるように努力します、ご期待ください。
「ぬけ男」は、当時、全く台本が書けず絶望の淵にいました、その時にFacebookに書いた文章を割愛して以下に転載します。
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ふと、台所を見ると包丁を首に当てている自分が見えたりして、思い浮かべるビジョンの陳腐さにイライラして、奥歯を手で折ろうとばっかりしてました。
演劇をやっていなかったら、僕はきっと、非常にちんけな罪で刑務所に入っているんじゃないかと思うんですが、多分、それさえもないです。それさえもない人間なんだろうなと、思いました。
で、つい二日ぐらい前、ほんとに何かを搾り出したわけじゃなく、今までのそれが嘘だったわけじゃないのに、スピッツを聞いてたら台本が書きたくなって、あれとかこれとか色々をほっぽって、ああ、ほっぽって書けると思って、抱えたまま、抱えてることをほっぽって、ほっぽりながら抱えて、書けると思って、書けました。
僕はまだ、もうちょっと書けそうです。
ほんとに、ホントに嬉しい。
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ああ、かわいそうな人だ、心底そう思いますが、今でもあの時の奇跡みたいなものは体の中に残ってます、そういう、思い出深い作品です。
▼Outline
「シド・アンドウ・ナンシー」
「俺さ、毎日300グラムずつ太っていく病気なんだよ。どれだけ食べても何も食べなくても。」
久しぶりに会った友人は笑いながらそう言った。
続けて「だから、いつか死ぬと思うんだ」と呟き、俺の「誰でもいつかは死ぬでしょ」という言葉には答えもせず「迷惑はかけないから」と部屋に上がり込み、「死にたくないなあ」と軽やかに笑った。
毎日300グラムずつ太っていつか破裂して死ぬであろう『友人』と、
そんな友人を死ぬほど愛している『友人の彼女』と、
来週に控えた抗争中の組長襲撃で恐らくは死ぬであろう『俺』の
「笑えもしない事を笑って食いつなぐ」お話。
「ぬけ男、恥さらし」
その男は周りから「ぬけ男」と呼ばれていた。
通常持ちうる、ある感覚が、その男には無いと思われていた。
だから周りも「ぬけ男」に対して「幸せ」でいられたし、
「ぬけ男」もそれで充分幸せだった。
ほんとうは、それが、あるのに。
おせっかいや博愛や純愛がぬけ男のそれを「ぬけていない」と暴き
「ぬけ男」と周囲の世界が変わる様や、
追い込むつもりも無く追い込んでいた自分や周囲を恨んだあげく自己防衛に走る様などを
数々の罵詈雑言や愉快な仕草でお送りするおはなしです。