ドリルチョコレート公演
「「ドリルチョコレートのテーマ」(ポジティブリミックス)」
中野スタジオあくとれ
2005年2月28日(月)/3月1日(火)
2ステージ
▼CAST
櫻井智也(MCR) 中川智明 三瓶大介(ククルカン)
星野友紀 上田房子(MCR) 福井喜朗(MCR)
▼STAFF
作・演出:ドリル
照明:久保田つばさ(M Light)
音響:平井隆史(末広寿司)
制作:八田雄一朗
製作:MCR/ドリルチョコレート
平日二日、二回公演というドリチョコらしい日程で組まれた公演です。
そしてまた、例によってバンドものです。
バイト先で普段何をしているのか聞かれた男が
苦し紛れに言った「雲を見てる」という言葉。
それを昇華させるために主人公の部屋に集まる
30歳を過ぎた「普段何もしていない」男達が
「バンドをやる」事で「何もない」から脱出しようとするお話ですね。
特別大きな展開があるわけでもなく、淡々と進んでいくんですが、
こういう30歳を過ぎてからの青春モノみたいなやつがやりたくて
この公演を企画したみたいなところあります。
「お前が居るから泣けねえよ」っていうのがこのお話のポイントで、
例えば僕とおがわじゅんやの付き合いはもう16年になるんですが、
そうなるともう、なんか、あいつの前で泣いたりとか出来ないんじゃないかと思うんです。
付き合いが長く、心許し合う関係であったりすればするほど泣けたりするものなのかもしれませんが、
男同士、しかも大抵の歴史を知っている同士だと、
その全てを上回る「照れ」というものが確かに存在すると思うんですな。
僕は元々バンドがやりたくて、でも出来なくて、
つまり「何にもなくて」それでも生きていることは出来て、
飢えることの方が難しい時代であったりするなかをユラユラと漂い、
爆笑までは到達せずとも頬を緩める事ぐらいは毎日出来ている中での喪失感と言いますか、
虚無感といいますか、
つまり「何にもない」だけ「ある」状態に飽き飽きして劇団を始めたりしたもんでして。
「何にもない」だけ抱えて生きていながら、そしてその事に抗うことなく満足しているような歩き方をしつつも
誰かに「何をやっているのか」聞かれた時の恥ずかしさというか虚しさというか、
両手に抱えている「何もない」をパっと背中に隠して「えーとね、俺はね」とモジモジしなきゃならんあの感覚。
へへん、俺はなんにもねーよ、それがどうした関係ねえぜ、なんて強がりながらも
いざ鏡の前に立たされると「あ、俺、これか」と現実の惨めさに打ちのめされる感じと言いますか、
あれがずーっと続いていた青春時代を過ごしていたもんで、
いや、それは今になっても「じゃあ今は何を持っているんだ」と聞かれれば
「なんか、ちょっと面白げな文章とか書いたりしてます」ぐらいしか言えなかったりするんですが。
そういう時間を共有した奴が目の前にいたら、
なんか、今更お前の前じゃ泣けねえなっていうか、
お前も泣くなよ俺困っちゃうからみたいな、そんな感じになると思うんです。
そんなお話です、って、
どんなお話なんだかサッパリ分からないですよね、
そりゃそうだ、スイマセン。
台本アップします、暇な時どうぞ。
ドリルチョコレートのテーマ(ポジティブリミックス)上演台本(PDF/382KB)
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