新宿THEATER BRATS
2002年5月2日(木)~5月5日(日)
6ステージ
動員:502名
▼CAST
ドリル
江見昭嘉
柴崎真人
渡部裕樹
福井喜朗
三浦香代(オハナシラジオ)
もきゅ@
香山美穂(OLEO)
白川直子
大浦さやか(劇団タコあし電源)
月野原りん(ハグハグ共和国)
▼STAFF
作・演出 ドリル
舞台監督・美術 GONTA
照明 ミス・サイパン
音響 米びつ先生
宣伝美術 中野嘉美
協力 劇団MCR
制作 八田雄一朗
製作 ドリルチョコレート
▼Special Thanx!!!
岡野文寛 三木拓郎 劇団タコあし電源 bird's-eye view 国民デパリ (有)共同センター 新宿THEATER BRATS
(順不同・敬称略)
ドリルチョコレート初の日曜を挟んだ日程(普通は日曜を挟むもの、だが、
日曜を挟んだ日程はこの前もこの後も二度と行われてもいない)
女の子を大量に出す(今となっては普通か)事になったために、
女心を知ろうとaikoを聞き込み、
聞き込んだ結果「よくわからん」をそのまま設定として舞台に上げた。
そうして当日パンフレットに「aikoと俺」という文章を載せることになるわけだが、
この後しばらくaikoと俺シリーズは当日パンフに載り続けることになり、
だからどうしたって、ああそうか、途中で諦めたね今、俺、なんか、こういう所あるね俺。
とりあえず当日パンフレットの文章を載せてみます。
aikoと俺 ドリル
みなさんはaiko知ってますか。
あの、ちっちゃくて、髪を肩ぐらいまで伸ばしてる歌手です。
あの、歌うときに何故か股ぐらに両手を挟み込む仕草をする女の歌手です。
股ぐらに両手を挟み込み頭をブンブン振るaikoです。
僕は今までその存在は知ってましたがじっくりと聴いたことはありませんでした。
しかし今回、女の子が6人も出る芝居を書かなきゃいけないということで
(今までで最高が女の子3人)女心を理解することに人並みはずれて鈍感な僕は
aikoにしがみつきました。
「aikoを聴けば、女が分かる」
これは僕がその時作った造語なので全く説得力はありませんが
そのぐらい僕は困っていたのです。
早速ステレオにCDを入れてaikoを聴いてみました。
「aikoよ、俺の脳内に女心を注入せよ」
そんな気持ちで聴いていたんですがaikoの野郎ときたら
花火がどうだとか?前歯を無くしたウサギが死んだんだとか?
カブトムシにロージーが恋愛ジャンキーなボーイフレンドが私今すぐ夢中になってこの唇全てあなたにあげるわとか?
「aikoちゃん、それチョットとがった歌謡曲です」
を連発しやがったのです。
想像と違った歌に僕は辟易として停止ボタンを押しました。
「お前のせいで台本が書けない…」
人に頼っておいてもの凄い言いぐさですがその時僕はそう思って
「だから俺は今日台本を書かない」
とプレステ2の電源を入れました。
単調なゲームを6時間ぐらいやりながら、
あまりにも単調なので再びBGM程度にaikoを部屋に垂れ流しました。
aikoが寂しげに歌います。
通り過ぎるはずの声が体の中に渦巻いて胸をグーンって締め付けます。
もう無くしてしまったはずの淡く甘い気持ちを責め立てます。
「aikoちゃん、どうしたの?」
aikoは何も変わってないんですが僕には全く違う人の歌に聞こえたのです。
歌詞カード片手に聴いていた時とは全く別物だ。
だからも少し笑ってないで たまにきつく叱ってみせて
ここに書くと何言ってやがるんだこの野郎と思うような言葉ですが
aikoの歌声がそれを見事に昇華させている。
そして僕は思った。
女心は女の子なら誰でも持っている
と。
だから僕は思った。
俺いつも通りに書こう
と。
僕の書いた台詞をきっと女心に浸して演じてくれるだろうと。
それこそaikoのように?わかんないけど。
机に向かった僕に黄色い服を着たaikoちゃんが微笑みかける。
ありがとうaikoちゃん、僕、やっと書けそうです。
そう言って僕はBOOWYのCDにチェンジした。
以上です、
成る程、実際はBOOWYのCDとかにチェンジしてないわけですが。
嘘ついてますね俺、まあ、可愛い嘘だ、許そう。
話の内容は、童貞の男が彼女ができて、
でも実はその人がデリヘル嬢で欲望と理想に挟まれて汗だくで(これはただの俺の特徴)奮闘するというものです。
これを観に来た内藤君が何故だか気に入って、
俺をバーズに誘ったという芝居ですね。
評判は確かに良かったです、
良かったですけどこれのせいで「MCRよりドリチョコの方が面白い」という風評が出だして、
俺と劇団員を悩ませる事になった芝居でもあります。
俺が猛烈な勢いで転ぶというシーンがあり、
毎回本気でダイブってたら、
腕がみるみるアザで変色していき、
ほぼ紫で構成されているような腕になりました。
そして毎回、Tシャツを絞ったら汗がダブダブとそこから流れて
女子達の眉間にシワを寄せました。