History
ベルベットモンキー...
ドリルチョコレート公演
「ベルベットモンキースーパースター」

中野スタジオあくとれ

公演日時:2001年9月26日(水)

▼CAST
ドリル


出た、ベルベット。
苦悩と苦労にまみれた一人芝居ですよコレは。
一人芝居、稽古も一人という状況を脳天気に捉え、
台本が本番1日前になって完成。
しかも、前日実家で稽古しようと思っていたら
姉ちゃんから電話が来て「津田沼まで迎えに来て」
とかいう連絡が来て、
しかも道が分かんないとか言い出す始末、
結果前日にも全く練習が出来ず
そのまま本番という最悪のシナリオが僕を待っていました。

内容ですが、チラシの絵を見ると「プロレスの話かな」と思うかもしれませんが
ロックスターの話です。
ベルベットモンキーという名前の歌手が
コンサート中に楽屋とステージを行ったり来たりしながら苦悩にまみれるというお話で、
例えばそれは会社から「今日で引退してベストアルバムで稼ぐ」という通達をされたり
「ポリデントのCMを違和感なくMCの間に挟め」という指令が出たりするという
理不尽さの中で無駄にキャーキャー言われて
「俺の話ホントに聞いてんのか!」とお客さんに逆ギレするんですが
全く取り合ってもらえずキャーキャーが増したりであるとか、
喧噪にまみれる無情感を表現しようとしたんですが
台本4頁とばして2頁戻るみたいな、
やりながら「ああもう、ごめんなさいとか言っちゃおうか」などと感じながらも
何とか1時間やりきった思い出深い公演です。
これ以来一人芝居をやっていないのは、これが原因なんじゃないでしょうか、
書きながら今思いました。
劇中に「ベルベーット!」と両手を広げて顔を上に上げ、
その後に「フォウ!」と声高らかに言うお決まりのポーズが何度も出てくるんですが、
完全にリックフレアー(歴史的NWA王者、現WWE)の物真似を
お金払って観に来てる人の前でしたいだけでした、ホント申し訳ない。

ステージと楽屋を間で仕切り、そこに飲み物やらを置いて、
つまりお客さんからは見えない給水所みたいな場所を作っていたんですが、
そこを通る度に舞監としてついていてくれた劇団員渡辺が
「もうギブアップしちゃえばいいのに」みたいな顔で僕を見ていたのを覚えています。

この公演も平日一回のみの公演であったので、見ている人も相当少ないと思います。
二度とやることもないと思うので誇りに思って頂きたい、
僕はこうして、まだなんとか生きております。