下北沢 OFFOFFシアター
2014年2月19日(水)~2月23日(日)
全7ステージ
▼CAST
有川マコト
櫻井智也
堀靖明
後藤飛鳥(五反田団)
▼STAFF
脚本・演出:櫻井智也
舞台監督:金安凌平
照明:久保田つばさ( M Light )
音響: 葵能人
舞台美術:袴田長武
制作:塩田友克・ドリルチョコレート
製作:MCR/ドリルチョコレート
協力: krei.inc 五反田団
(順不同・敬称略)
▼STORY
平成26年3月、
平成の「力道山対木村政彦」と呼ばれる試合が
後楽園ホールにて行われようとしていた。
因縁と確執が幾層にも積み上げられたこのカードは、
始まる前から不穏試合、結末の見えぬガチンコ試合として、
プロレスファンの間で異常な盛り上がりを見せていた。
その試合前、控え室、当事者である有川マコトの横には、
かつて有川とタッグを組んでいたが膝を壊して引退し、
実家の駄菓子屋をたまに手伝っている櫻井の姿があった。
勝てば天国負ければ地獄、
そんな試合を前にして、有川はかつてのタッグパートナーである櫻井に
トレーニング指南と試合当日のセコンドを頼んでいたのだ。
試合まであと一時間半。
それぞれの抱える事情と思惑がスパークリングフラッシュする控え室、
歓声と怒号が渦巻く空間に立ち入るまであと一時間半、
その先にあるものは、今はまだ、全て、憶測でしかない。
その憶測をあれこれと並べ立てて、二人は、試合前なのに口論で疲弊する。
そこへ来てアニータと呼ばれる女と、
プロレス記者がやってきて、
さながら4WAYマッチのリング上、のような控え室、
もう、リング上に向ける体力も無い、家に帰って寝たい、
しかしそれは押し込めて。
のちに「今年最もエキサイティングな試合」と呼ばれることになる試合前、
それよりもエキサイティングで、
しかし、惨めな瞬間があったことを、観客は、誰も、知らない。
繰り返す、試合まで、あと、一時間半。