MCR新旧作品集
「毒づくも徒然」
Introduction
お恥ずかしい話ですが、来年MCRは結成25周年を迎えます。25年やってまだそこかよ、と言われそうなので黙っていようとも思いましたが、そもそも地位や名誉、金銭を求めて演劇を始めた訳ではなく、貧乏である言い訳が欲しかっただけなので、ここにきて見栄えを気にするなんて、それこそ勘違いすんな、と言われそうな気もして、なので言いますけど来年で25周年です。
なので今回は過去に上演した作品の中から三つほどの再演と新作を加えて、私たちの遍歴を少しでも感じて貰えるような公演を目指します。
それぞれの見所といいますか、説明をさせていただくとですね、
「櫻井さん」は初演時、劇団員のみでやった公演なんですけど、劇場入り二日前まで僕が別の公演に出演してまして、だから全く台本が書けず、劇場入りしてから「みんなごめん」と思いながら書いた「みんなごめん」が詰まった作品です。
「リフラブレイン」はMCRが標榜する「悲劇的状況をも喜劇に転化させる」という言葉を具現化したような作品、といえば聞こえはいいですが、初演時は台本が全く書けず、劇場入りしてから役者さんに大量の台本を渡した上で「観に来る人はこんな事になってるとは思ってないから胸を張りなさい」と言う言葉の暴力で奮起させたら意外と評判良くって僕自身がそういう事に味をしめた作品です。
「あの世界」は元々プロレスを題材にした二人芝居だったんですが、その後またやろうという話になり、今度は一週間だから出演者の人数増やさないとお客さんが来ないね、という事で出演者を四人に増やしてみたら、結果、お客さんが少な過ぎて「やったけど、もしかしたらやってないかもしれない」と思えるような作品なので、再演ですけど初演と言いたいぐらいの作品です。
「親展」は新作なので悪辣なエピソードは今の所ないのですが、きっと初日を迎えるその日まで何事もなくスムーズに、順調に、困った事は何一つない状態で進んでいくと思われます。内容としては、プライバシーとはなんぞや、という複雑な問題を提示しつつ、しかし、そんなことを少しも感じさせず女が好きだと言ったり嫌いだと言ったり男が好きだと言ったり嫌いだと言ったりするような物語になる予定です、スムーズにいくはずなのできっとそうなります。
長々と書きましたが、まあ、全部忘れてもらって良いので、とにかくアレです、
楽しんでいただければそれだけで幸いです。
櫻井智也
Outline
「櫻井さん」(初演:2011年2月下北沢駅前劇場)
猪股くんは詩を書いているのですが、猪股くんも猪股くんの詩もどうしようもないので、どうしようもない事を招いたり首を突っ込んだりして、家族や友達から「どうしようもねえな」と言われる毎日を過ごしています。
そんな毎日の中で猪股くんは「きちんとしなきゃ」と思いながらも、缶や信頼をポイ捨てしながら有限な時間を無限にあると言い聞かせながら過ごしていくのです。
そんな猪股くんと、猪股くんに関わる人たちが「櫻井さん」の周りで繰り広げる、「どうしようもない」を繰り広げたくないのにグルグル繰り広がるお話です。
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「リフラブレイン」(初演:2009年10月下北沢駅前劇場)
両親を早くに亡くし、厳しい生活環境の中で不器用ながらも懸命に生きている姉と弟。
平凡に生きたいと願いながらも、降りかかる常識に蹴られ殴られ、それでも笑顔は絶やさずに。
人並みに疲弊していく毎日の中で姉は明日世界が終わると思って持ち物を今日に捨て置き、明日手ぶらで途方に暮れて、弟は明日で世界が終わると思って今日までの時間を愛するが、明日の終わりに今日を憎む。
明日で世界が終わっても良い、明日で世界が終わってくれないと困る、明日で世界が終わると信じ込んで今日を迎えた人たちなんかの、しかし明日が無慈悲にやってきたりする情景なんかを笑い飛ばせる距離から見せつける物語。
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「親展」
あなたにしか読まれたくない言葉があって、だけどきっとあなたはみんなの前で、
私が封書に閉じ込めたあなたの為だけ(そしてわたしの為だけ)に綴った言葉をさ、
きっとあなたはみんなの前で歌うように詠んで笑い飛ばすだろうけど、
あなたが詠むその歌は、紛れもなく、あなたがわたしに詠ませた「くだらない」歌です。
己の感情を狭い範囲にしか届けられない女が、それが届かない範囲にいる人たちから憎まれ、愛され、
だから女も憎んだり諦めたりするしかない情景を愉快な罵詈雑言で綴る物語です。
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「あの世界」(初演:2014年2月下北沢OFFOFFシアター)
平成の「力道山対木村政彦」と呼ばれる試合が後楽園ホールにて行われようとしていた。
因縁と確執が幾層にも積み上げられたその試合前、控え室、当事者である泉政宏の横には、かつて泉とタッグを組んでいたが膝を壊して引退し、実家の駄菓子屋をたまに手伝っている横手の姿があった。
試合まであと一時間半、二人は試合前なのに口論で疲弊する。
そこへ来てアニータと呼ばれる女と、プロレス記者がやってきて、さながら4WAYマッチのリング上、のような控え室、もうリング上に向ける体力も無い、家に帰って寝たい、しかしそれは押し込めて。
のちに「今年最もエキサイティングな試合」と呼ばれることになる試合前、それよりもエキサイティングで、しかし、惨めな瞬間があったことを、観客は、誰も知らない。
2018年11月20日(火)-12月2日(日)
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11/24 |
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11/26 |
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11/28 |
11/29 |
11/30 |
12/1 |
12/2 |
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火 |
水 |
木 |
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土 |
日 |
月 |
火 |
水 |
木 |
金 |
土 |
日 |
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13:00 |
親 |
櫻 |
リ |
櫻 |
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16:00 |
リ |
櫻 |
リ |
親 |
櫻 |
親 |
あ |
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19:00 |
リ |
親 |
あ |
親 |
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19:30 |
櫻 |
リ |
親 |
櫻 |
櫻 |
リ |
親 |
櫻 |
リ |
櫻:櫻井さん/リ:リフラブレイン/親:親展/あ:あの世界
全席自由
受付開始、開場は開演の30分前からとなります。
前売 3000円
当日 3300円
学生 2000円
(中学生以上の方は公演当日に学生証または年齢が確認できるものをお持ち下さい)
セット券
(二公演:5000円 三公演:6500円)
※「あの世界」はセット券対象外となります
全席自由
受付開始、開場は開演の30分前からとなります。
チケット発売 2018年10月20日(土)より
【ご予約方法】
☆セット券についてはこちらをご覧ください
(メールでの予約のみとなります)☆セット券以外のご予約
■メール
①お名前
②希望日時
③希望枚数
を明記のうえ、下記のメールアドレスまでご送信ください。
gekimcr@gmail.com
(こちらから折り返しご連絡いたします)■Web
チケット購入フォームより受付
カルテット・オンラインにて販売
「櫻井さん」
猪股和磨(なかないで、毒きのこちゃん)
安東信助(日本のラジオ)
篠本美帆(あひるなんちゃら)
澤唯(サマカト)
田中祐理子
堀靖明
伊達香苗(MCR)
北島広貴(MCR)
櫻井智也(MCR)
「リフラブレイン」
小野ゆたか(パラドックス定数)
石澤美和
わたなべあきこ(劇26.25団)
長瀬ねん治
澤唯(サマカト)
本井博之
志賀聖子(MCR)
おがわじゅんや(MCR)
上田房子(MCR)
「親展」
川口雅子
三澤さき
石黒麻衣(劇団普通)
フジタマコト
堀靖明
加藤美佐江
おがわじゅんや(MCR)
櫻井智也(MCR)
「あの世界」
泉政宏(シンクロ少女)
横手慎太郎(シンクロ少女)
中田麦平(シンクロ少女)
佐藤有里子
作・演出:櫻井智也
舞台監督:松谷香穂
舞台美術: 袴田長武
照明: 久保田つばさ
音響: 葵能人(ノアノオモチャバコ)
宣伝美術:これでよしお
撮影:保坂萌制作:MCR
当日運営:松本悠(青春事情)
製作:MCR協力:
あひるなんちゃら
アニモプロデュース
イマジネイション
エム・アール
カルテット・オンライン
劇26.25団
劇団普通
krei inc.
NPO法人S.A.I
サマカト
シンクロ少女
青春事情
なかないで、毒きのこちゃん
日本のラジオ
ノアノオモチャバコ
KNOCKS,INC.
パラドックス定数
ホリエージェンシー
ムシラセ
RYU CONNECTION
(順不同・敬称略)